H O M E B A C K

 むかし、いつのころからか、長穂の市(いち)というところに、火よけ地蔵さまがたっていなさる。
 それで長穂では、どんなに家が立て込んじょっても、火事のとき、となりに火が燃え移らんといわれちょる。
 「そりゃあ、あの火よけ地蔵さまのおかげじゃ」
 「そうじゃ、火事のときは、あの地蔵さまは、いつも水をかぶったように、びっしょびしょになりなさる。となりに燃え移るのを、一生けんめいにくいとめてくださっちょる」
 長穂のもんは、そういうて、いまも火よけ地蔵さまを大切におまつりしちょる。

                                (語り手 周南市長穂 実近寿雄さん)