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昭和49年2月下旬の寒い日であった。室津・上関はNHKの連続テレビ小説「鳩子の海」のロケで賑わった。ベテラン女優小林千登勢以下のスタッフが室津や上関の旅館に泊り込みで3日間のロケーションが行われ、この間町中が「鳩子」ロケに沸いた。主演女優の小林や藤田美保子のサインを求めて多くの町民が色紙を手につめかけ、またロケの現場にも地元の人々は申すに及ばず、平生町、柳井市、田布施町などからも見物人が大勢集りお祭以上のにぎやかさであった。町当局としても、この混雑を予想し、消防団を動員して群衆の整理に当たった。 このロケでは、鳩子が伝馬船で砂浜に漂着するシーンや、成人した鳩子が上関の町や海岸を散歩するシーンなど、スタジオでは撮れないシーンを幾つかと、主体となるスタジオ録画を補うために使われる風景や、上関や室津のたたずまいなども撮影された。また地元の人達も見物だけでなく、通行人として出演するなど、加納町長以下、町を挙げて「鳩子」に協力を惜しまなかった。こうしてロケーションは大成功を収め、スタッフは引き上げていった。 地元の人達は一ヶ月半後の4月上旬の放映第1日目を指折り数えて待った。 |
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